「炭酸入りの乳製品」はいかが?

2005年10月18日

Joanna Glasner 2005年10月18日

 炭酸ヨーグルトを食べたことがない人のために、それがどんなものなのか説明しておこう。

 ちょっと甘酸っぱくて、舌に触れたときにフルーツ味の軽い泡を感じる。ふつうのヨーグルトが好きな人ならおいしいと感じるだろう。たいていの人は冷えたソーダのぴりっとした感じを思い出すだろうから、ちょっと不思議な味わいでもある。

 「炭酸飲料みたいにピリピリしない」とブリガム・ヤング大学のリン・オグデン教授(食品科学)は言う。オグデン教授は、自家製ルートビアを作ったときに残ったドライアイス――二酸化炭素を凍らせて固体化したもの――を使って「スパークリング・ヨーグルト」の試作品を作った。

 これまでのところ、オグデン教授は学生に少量のスパークリング・ヨーグルトを販売しただけだが、大手食品会社の目を引くのではないかと期待している。

 スーパーでの買い物客が必ずカートに入れるお決まりの一品とはならないかもしれないが、炭酸乳製品はありきたりの食品にひとひねりしたいと考えている食品メーカーや、調理法の特許で収入を得たいと考える大学の研究者の注目を集めている。

 ブリガム・ヤング大学では、大学の技術移転局の責任者、リン・アスル氏が炭酸ヨーグルト技術のライセンスについて、米国の大手食品メーカー1社およびヨーロッパの企業2社と話し合っているところだ。ブリガム・ヤング大学は「二酸化炭素を当該の食品と混ぜることによる、スプーンで食べられる半固形または固形の炭酸食品」の製法にかかわる特許を米国を含む数ヵ国で取得している。

 炭酸乳製品のファンによれば、ぴりっとした風味とソフトドリンクにはない栄養が結びついているのが魅力だという。

 「炭酸は体に悪くないという考えを全国に伝えなければならない。炭酸化することで大量の砂糖とソーダが売れた。それなら、炭酸化して体にいい物を売らない手はない」とアスル氏。

 炭酸乳飲料『e-Moo』を製造するメーカーも似たような考えを抱いている。マサチューセッツ州の米マック・ファーム社がコーネル大学と共同開発したe-Mooは、炭酸を入れたスキムミルク、果糖、香料からできている。

 現在、e-Moo――7種類の風味がある――はニューイングランド地方を中心に約100校の学校で飲まれている。マック・ファーム社のジョージ・クラーク社長は、学校が児童の肥満対策のために採用している厳しい食事指針を追い風に、この1年間で東海岸全域に進出する計画を立てている。クラーク社長は、カリフォルニア州も有望視している。同州では、アーノルド・シュワルツェネッガー知事が今月、公立校でのソーダの販売禁止を延長する法案に署名している。

 栄養よりも味を重視するところもある。マサチューセッツ工科大学(MIT)では、2人の教授と1人の学生が最近、炭酸アイスクリームの製法のマーケティングを始めた。この3人の発明者によると、自分たちのシステムは、安上がりでエネルギー効率がよいアイスクリームの製法を提供し、食べるのも楽しいという。

 「舌に乗せると、シュワーッと炭酸ガスが出て口に広がる。ソーダでは味わえない感覚だ」と、炭酸アイスの開発者の1人、ジョン・ブリーソーン教授(機械工学)は説明する。

 炭酸化はほかの食品や飲料にも広がる可能性がある。ブリガム・ヤング大学のオグデン教授によれば、炭酸ヨーグルトの製法はプリンやゼリーなど似たような食感の食品にも応用できるという。

 炭酸入りのカットフルーツを学校などに販売する計画を立てているフィジー・フルーツ社という会社もある。

 コーネル大学のジョセフ・ホッチキス教授(食品科学)は、二酸化炭素を加えることで(加工前の)生乳の安全性をどの程度改善できるかを調査中だ。ホッチキス教授は、乳製品に低レベルの二酸化炭素を注入することで製品の安全性を改善する手法を開発しており、この手法はカッテージチーズ・メーカーによって広く採用されている。

 だが、炭酸乳製品に絶賛する人たちも、市販のソーダのように炭酸がきつい乳製品を作ることは勧めない。たとえばe-Mooの場合、クラーク社長によると、ふつうの清涼飲料のざっと20%ほどしか炭酸が入っていない。炭酸が少ないのにはメリットがあるという。「炭酸の効果を感じつつも、一日中げっぷをしながら歩き回らなくてすむ」

[日本語版:矢倉美登里/多々良和臣]

WIRED NEWS 原文(English)

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