チェスターフィールドの「人生ハック」術
2007年6月15日
白田秀彰さんのブログ「網言録」は、以前の「インターネットの法と慣習」をお読みになられていた方には、やや意外な展開になっていると思いますが、"なんとなく手本にした本"として、『チェスターフィールド わが息子よ、君はどう生きるか』があげられています(連載第二回)。

これは読まねば、ということで、さっそく手にしました。200年ほど前に、イギリスの貴族が息子に宛てて書いた人生訓、処世術なのですが、これが予想以上に面白い。
時間の使い方、友人の作り方、「人間の器」を大きくする生き方、お金の使い方、遊び方、読書の仕方、歴史から学べること、旅から学べること、判断力の養い方、説得力の付け方、話し方・書き方の磨き方……と細かく、自らの経験と事例を紹介しながら、丁寧に"どう生きるべきか"を説いています。
ある種、イギリスのジェントルマンが培った社会での作法集でもあるし、現代にも通用する自己啓発本ともなっています。すでに長い間、日本を含めて各国でたくさんの人に読まれている、といいますから、現代にも通じる普遍的な「知」のようなものが含まれているとも言えるのでしょう。
こうした教えは、まさに、人生そのものをハックする手法 なのだろうと思います。以前のエントリーで、WIRED VISIONのコンセプト「アカルイ未来の創造力」と至る道筋として、「言葉本来の意味での"ライフハック"」ということを書きましたが、経済や法、政治的な視点が、マクロな社会ハック、人生ハック、だとすると、チェスターフィールドの人生訓のような視点は、ミクロな人生ハック、だと言えるような気がします。
こうしたミクロな人生ハック術は、以前は、親から子へ、会社の先輩から後輩へ、町内のおじさんから子供へ、となんとなく伝えられていたことだったのでしょうが、現在の日本ではそうした伝達経路が急に途絶えているようにも感じます。だからこそ、以前だったら、説教臭くて敬遠しがちだっただろう内容が、新鮮に感じたのだろうと思います。ミクロな視点の人生ハック術も、ひじょうに重要ですね。(江坂 健)
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