マイケル・カネロスの「海外グリーンテック事情」

テクノロジー、ビジネス、公共政策の三要素が交差するグリーンテック領域の動向を伝える

「スマートグリッド関連の標準策定でもっとも厄介なのは家庭内ネットワーク」--NIST責任者

2009年11月26日

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米国標準技術局(National Institute of Standards and Technologies:以下「NIST」:関連リンク)はいま、科学技術の歴史のなかでも最も野心的な標準づくりで多忙を極めている。NISTではスマートグリッド関連の77の標準を定めたい考えだが、このなかには特に重要な14分野の標準も含まれる。

NISTはまた、たとえばディマンド・レスポンスの監視関連や、エネルギー利用状況についての情報の共有に関するものなど、多数の重要な標準を今後数ヶ月間で定めたいと考えているが、これは簡単に片付かないだろう。技術標準づくりには何年もかかる場合もあるからだ。

先週開かれたGreenBeat 2009カンファレンスのあるパネルディスカッションで、私はNISTでスマートグリッド関連の標準策定プロジェクトを率いるジョージ・アーノルド(George Arnold)と一緒になった。そこで私は「どの分野がもっとも厄介そうか」と同氏に訊ねてみた。

「家庭内ネットワークに関連するものだ」と同氏は意外な答えを口にした。家庭(個人宅)は管理が用意なはずではなかったのか。家庭の場合、広さは数百平方フィートから広くても数千平方フィートで、電子機器や家電製品の数も限られており、しかもそれらはかなりゆっくりしたペースで買い換えられる。

アーノルドによれば、この原因は関係当事者間の調整が難しい点にあるという。たとえば家電メーカー各社は製品のコスト増につながることに神経をとがらせている。また、通信に関しても、ZigBeeやWi-Fi、電力線ネットワーク(PLC)やRFIDを使ったメッシュネットワークなど、複数の方式が存在して、まだどれかひとつには絞り込まれておらず、しかもそれらの互換性(インターオペラビリティ)の確保については、いままさに作業中といった状態にある。家庭でのエネルギー管理について、さまざまな陣営がそれぞれ異なるパラダイムを推し進めようとしている。またハードウェア・メーカーにとって、これはさらにリスクを高めることにつながる。NISTがこの標準策定作業をいかに済ませるかは、来年のスマートグリッド分野における最も大きな問題のひとつになるだろう。

[著者:Michael Kanellos(Greentech Media)/抄訳:坂和敏/原文公開:11月23日(米国時間)]


原文はこちら:
"The Biggest Thorn for Smart Grid Standards? The Home Area Network"

訳者コメント:
上記ブログではいまひとつ分かりにくい印象ですが、下記の関連記事をみると「なるほどこれは大変そうだ」と思える説明がありました。たとえば、NISTの標準案(ドラフト)はA4サイズで計90ページにもなる代物でそのなかにぎっしりと文字だけが並んでいます。

関連記事:
・"Smart Grid Interoperability Panel: Who to Call"(Greentech Media)

・"Smart Grid Standards Roadmap Unveiled"(Greentech Media)

・"Time short to agree on smart-grid standards" (CNET News.com)

・"NIST Framework and Roadmap for Smart Grid Interoperability Standards Release 1.0 (Draft) "[PDF]

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プロフィール

米グリーンテック・メディア社(Greentech Media)編集長。CES(米国コンスーマー・エレクトロニクス・ショー)をはじめ、スタンフォード・イノベーション・ジャーナリズム・サミットやクリーン・エネルギー・ベンチャー・サミットなど多くの会議や協議会で講演、ナショナル・パブリックラジオ(NPR)やCBSのザ・アーリーショー、CNBCなどのテレビ番組にも多く出演中。2005年には、ソサエティー・オブ・プロフェッショナル・ジャーナリスト(米国最古のジャーナリスト協会)から全米オンライン特集記事賞を受賞。

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