マイケル・カネロスの「海外グリーンテック事情」

テクノロジー、ビジネス、公共政策の三要素が交差するグリーンテック領域の動向を伝える

2010年はグリーンテック関連の株式公開が増加の見通し

2010年1月26日

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新規株式公開についていえば、2009年は散々な年だったが、2010年には回復の兆しが見えている。

ベンチャーキャピタルの支援を受けた薄膜ソーラーパネル・メーカーのソリンドラ(Solyndra)は昨年12月にS-1書類を提出し、株式公開に向けた準備を進めている。同社のIPOが実現すれば最大で3億ドルの資金を市場から調達することになりそうだ。ソリンドラの申請書類の内容については以前に紹介した(英文記事"Solyndra’s IPO Registration: By the Numbers")。

一方、中国を本拠地とするジンコ・ソーラー(JinkoSolar:晶科能源)も最大で1億ドルの資金調達をめざして、先日株式公開の申請を行ったばかりだ。

ジンコ・ソーラーでは、太陽光発電市場向けに、単結晶・多結晶両方のシリコンウェハー、ソーラーセル、そしてモジュール類を製造している。同社では株式市場から調達した資金を生産能力の拡大や研究開発、営業資金にあてる目論見。ジンコ・ソーラーは2009年1-9月に1億2900万ドルの売上(前年同期比42.8パーセント減)を計上している。

また今月初めにはダクォ・ニューエナジー(Daqo New Energy)という別の中国の多結晶ソーラーパネル・ベンダーが、最大で1億800万ドルの資金調達を目指して株式公開を申請した。同社の最新会計年度(2009年9月期)の売上は1億1600万ドルだった。

それに対して、薄膜ソーラーパネルをつくる中国のトロイ・ソーラー・ホールディングズ(Trony Solar Holdings)は、2009年の終わりになって、市場の環境が思わしくないことを理由に株式公開を延期した。

さて。ここで、2010年に株式公開しそうな企業の候補を挙げてみよう。ナノソーラー(Nanosolar)はこうした候補リストの常連だが、IPO申請の前にまず売上5000万ドルの壁を超えなくてはならない。同社は大量の受注残を抱えているものの、生産能力はまだ小規模もしくは実験的な段階でしかない。また、ソーラー関連の話題で洞察力に富んだブログを書き続けているエド・ガンサー(Ed Gunther)は、サンラン(SunRun)とソーラーシティ(SolarCity)もそれぞれ株式公開する可能性があるとしている。これはいい選択だ。

ほかに見落としてならないのはコーデクシス(Codexis)。昨年末に株式公開を申請したこのバイオ触媒ベンダーは2009年1-9月に5800万ドルの売上をあげていた。同社に資金を提供したのは、ベンチャーキャピタルのCMEA、シェル石油、それにシェブロンの投資部隊であるCTTV。このうちCMEAでは、ソリンドラや昨年9月に上場したリチウムイオン・バッテリーメーカーのA123システムズにも投資している。コーデクシスのバイオ触媒は医薬品業界で使われているが、グリーンテック方面でもシェル石油との間で、セルロース・バイオマスから商用利用可能なバイオ燃料をつくる契約を交わしている。そのほか同社製品の応用分野としては二酸化炭素の管理、水処理、そしてグリーンな化学品などが考えられる。

このほか、2010年から2011年に株式公開しそうなグリーンテック関連の企業には、次の各社が挙げられる。

テスラ・モーターズ(Tesla Motors):電気自動車(EV)のパイオニア
ブリッジラックス(Bridgelux):LED証明メーカー
ブライトソース(Brightsource ):太陽熱発電大手
シルバー・スプリング・ネットワークス(Silver Spring Networks):スマートグリッド関連のイノベーター
トリリアント(Trilliant):スマートグリッド関連のネットワーク機器ベンダー
エンフェーズ(Enphase):太陽光発電用インバーターのメーカー


[著者:Eric Wesoff(Greentech Media)/抄訳:坂和敏/原文公開:1月21日(米国時間)]

原文はこちら:
"Greentech IPO Filings Start to Pile Up, More to Come"

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プロフィール

米グリーンテック・メディア社(Greentech Media)編集長。CES(米国コンスーマー・エレクトロニクス・ショー)をはじめ、スタンフォード・イノベーション・ジャーナリズム・サミットやクリーン・エネルギー・ベンチャー・サミットなど多くの会議や協議会で講演、ナショナル・パブリックラジオ(NPR)やCBSのザ・アーリーショー、CNBCなどのテレビ番組にも多く出演中。2005年には、ソサエティー・オブ・プロフェッショナル・ジャーナリスト(米国最古のジャーナリスト協会)から全米オンライン特集記事賞を受賞。

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