高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」

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「不気味の谷」を越えた? Image Metrics社のフォトリアルなCGアニメ

2008年8月21日

『Grand Theft Auto IV』などのゲームのアニメーション制作に協力しているImage Metrics社の社員とおぼしきEmilyさんが、同社のフェイシャル・アニメーション技術について説明しています。生身の人間を撮影してアニメのキャラクターを動かすデータを取得するのは従来のモーション・キャプチャーと一緒ですが、同社の技術では、モデルの人が顔や体にマーカーをつける必要がなく、特殊なカメラも使わないとか。普通のビデオカメラで人物を撮影し、動画を同社独自のソフトウェアで解析して、顔の細かな表情の変化までデータに変換するのだそうです。

動画が1分を過ぎたあたりから種明かしが始まります。「Image Metrics社のフォトリアルな[写実的な、写真レベルの]作品をどう思いますか?」という質問に、「私にはわかりません。あなたはどう思います?」と問い返します。そう、「私を見てどう思う?」と言っているわけ。動画を最後まで見たらもうお分かりでしょうが、このEmilyこそがCGのキャラクターだったというオチでした。

正体を知ったうえで改めて動画を観察すると、照明(光源)を頭上のやや後方に置いて、顔に直接明かりが当たらないようにする演出のおかげもあって、YouTubeの低い解像度なら生身の人間と見分けがつかないほどのリアルな印象を与えることに成功しているようです。実際、Image Metrics社サイトのトップにあるデモ動画は、より解像度が高く、目や口の周りの細部まで鮮明に見えるせいで、Emilyに比べると笑顔や驚いた顔の表情がやや不自然に感じられます。

とはいえ、2005年にワイアードが「リアル過ぎる『Xbox 360』用ゲームと「不気味の谷」現象(日本語版記事)」で言及した『Xbox 360』版のゲーム『キング・コング』(動画)に比べると、この3年ほどでずいぶん進歩したんだなあと実感。あと数年もしたら、普通に俳優を写した実写映像の中に、CGの人間キャラを紛れ込ませて、まったく気づかれないレベルにまで到達しているかも。もしかしたら、2009年公開予定の3D映画『アバター』でジェームズ・キャメロン監督がその手のことをやっているかもしれませんね。

YouTubeにはほかに、Image Metrics社のフェイシャル・アニメーション制作の様子を説明した動画もあったので、下に貼っておきます。ついでに、『Mail Online』の記事には、CGのEmilyのデータを提供した女優、Emily O'Brienさんの写真も掲載されていました。


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プロフィール

1964年生まれ。翻訳者、ライター。訳書に「熱帯アジアの海の生物」「Family Crests of Japan」、注釈協力に宮沢章夫著「『資本論』も読む」ほか。数年前からホームシアターにはまり、仕事場兼用の六畳間に100インチスクリーンとプロジェクター、7.1chサラウンドスピーカーなどを無理矢理入れて、映画や音楽、サッカーを日々楽しむ。

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